先に結論

空き家カルテは、所有者への聞き取りだけに頼らず、公的データで埋められる情報を先に自動で埋め、残った「所有者にしか分からない情報」だけをヒアリングする、三層構造の資料です。価格・査定額は記載しません。

なぜ三層に分けるのか

「何も分からないが売りたい」という高齢の所有者や、相続はしたが現地の情報をほとんど持たない相続人は少なくありません。所有者への聞き取りだけに頼った資料は、所有者の知識量が資料の質の上限になってしまいます。空き家カルテは、まず機械的に取得できる情報を埋めることで、この上限を引き上げます。

三層の内容

  • 第一層(機械取得): 用途地域、接道状況、ハザード、都市計画、周辺人口動態、建物の外形・推定築年。公的データから自動取得します。
  • 第二層(所有者ヒアリング): 相続の経緯、共有者との関係、売却を断られた履歴、残置物の量、鍵の所在、近隣とのトラブル。所有者にしか分からない情報です。
  • 第三層(現地確認事項): 腐朽度、越境、実際の残置量。現地でしか分からない情報は「未確認」と正直に示します。

確度ラベルという考え方

空き家カルテの全項目には、「公的データ由来」「所有者申告」「未確認」のいずれかのラベルが付きます。事業者が物件を敬遠する理由の多くは、情報がないことよりも、その情報がどこまで信頼できるか分からないことにあります。「分からない」をあいまいにせず「未確認」と明示することが、事業者からの信頼につながります。

価格を載せない理由

不動産の価格算定を業として報酬を得て行うことは、宅建業者による簡易査定を除き、原則として不動産鑑定士の独占業務です。空き家オーナーは宅建業免許も鑑定士資格も持たない前提のため、空き家カルテには金額を記載せず、事実の整理に徹しています。

実際にカルテを作ってみる

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